ニキシー管作品制作記 No.7


2023年10月29日

2023年10月30日
前回のあらすじ
Fusion 360にて、回路図を作成した。
Autodesk Fuision 360 -ディスプレイ用PCBのフットプリントの作成-
さて、恐らく一連のプロジェクトの中で最大級に注意しなければならないフェーズだ。
PCBと筐体は位置合わせをしなければならない。そこで私は件の問題にぶち当たった。
ヤードポンド法である。
このPCB、インチとメートルが混在しているのだ。
私のこの作品、どこがインチでどこがメートルなのか。
インチなのは「ニキシー管を除いた回路部分」だ。ピンヘッダの幅、フォトカプラ、ICの幅、ここら辺は全部インチだ。
対し、メートルなのは、「筐体」「ニキシー管」だ。
つまり、ディスプレイ用PCBのフットプリントで気を付けなければならないのは
「ニキシー管の配置」「PCBの大きさ」「ピンヘッダの配置」(中央に置くつもりだから)である。
これを念頭において、やってみよう。

フットプリントを開くと、なんか勝手に配線が行われている。ニキシー管部分は特にひどい。
とりあえず配置を直す。
表裏も左右もよくわからないので、適当に配置して3Dにプッシュして確認する。

(応答なし)
...焦らず待機。配置外のものも3D化されてしまったのだろうか。丁度飯と風呂の時間。放置してみよう。
変わらなかった。Fusion 360を再起動する。
修復ファイルがある。優秀なソフトでよかった。
配線を一部解除し、パーツを全て枠内に収める。

これを3Dにプッシュ。

筐体の方を見ると...

表示されてない!なぜ?注意書きを見るとコンポーネントが最新でない。と書いている。じゃあ更新だ。

ここまで来ると感動する。色々修正は必要だが。
直す必要があるのは、ピンヘッダの上下関係、LED、ニキシー管の表裏辺りだ。
ところでこれ、基板がピッタリすぎる。こんなんで上手くいく気がしない。ピンヘッダの調整も大変になる。そこらへんも考えて調整しよう。
閑話
一連のニキシー管作品制作記では、私は基本的に「である調」を使っているが、時々「ですます調」が混じっている。
気になってしまった方には申し訳ないが、分かって混ぜているつもりである。では、どこでですます調が出てきたのか。
ニキシー管制作記 No.1, ニキシー管の扱い方 -必要な部品を揃える- にて
「さて、ニキシー管はどのように扱えばいいのか。同梱されていたロシア語のデータシートは流石に読めないので英語版データシートや先駆者達の記事を見てみる。」
「 pongsuke様の記事 を見させてもらうと、私と同じようなことをしていたのでこの記事をひとまず参考にさせていただきます。」
ニキシー管制作記 No.5, Autodesk Fusion 360 -部品配置調整- にて
「スケッチでしか相対距離で正確な距離を書くことができないため、空間の特定の点に移動したい場合に直方体のような物体を作らざるを得ないのだ。」
「これ以外の方法があるなら是非ご教授頂きたいです。」
私が探した限りこの2点だ。さて、この共通点はなんだろう?
私自身の認識では、「自分以外の人が関わる場合」であった。しかし、同じくNo.1の記事でこのような文章が出てくる。
ニキシー管制作記 No.1, ニキシー管の扱い方 -必要な部品を揃える- にて
「なるほど、どうやらニキシー管というものは150~200V程の高電圧をかける必要がある部品らしい。」
「安定化電源でも30V程度しか出ない。というわけで同記事に書かれているaitendoさんのDC-DCコンバータを私も購入することにした。」
他にも
「次に、表示を司るマイコン周りの回路について考える。先駆者達の記事を見るに、ESP32、Arduino、Raspberry Piを利用して時計等々を作っている方が多い。」
一際参考になったのがkohacraft様のブログだ。
ニキシー管制作記 No.3, ニキシー管の扱い方を探る -2桁点灯実験- では...
「よっぴ様のnoteの内容を参考にしながら、ニキシー管2桁を使用する実験をやっていく。」
状況証拠は出そろった。馬鹿野郎。言行不一致。何をやっているんだ私は。全然言っている事が違っているではないか。
余裕綽々で友人に「分かって書いている」などとほざいた私を殴りたい。
ということでこれは要修正案件である。レポートでこんなことやったら問答無用で減点である。下手したら読んでくれないまである。
この記事が出る頃にはこれらの文言は修正されているだろう。つまり、No.1とNo.5の記事に10月25日以降の修正マーク+日時が挿入される。気になるなら確認してみるとよい。
あ、でもNo.5は投稿日が今日(10月25日)だから黙っておくことにしよう。筆者は平気でこういうことをしているのでそこらへん信頼しないように。
Autodesk Fuision 360 -フットプリントを裏面に移動するには?-
フットプリントで見えているのは表示部分の裏面で、座標方向も異なっている。ひとつずつ調整しよう。
そういえばPCBに入ってからチュートリアルをやっていない。通りで行き詰るわけだ。
立命館大学の授業資料らしきものを見つけたのでこれを読む。
「移動」はフットプリントの+マークで行える。覚えた。移動に限らず+マークから右クリックで色々操作ができる。
まずはニキシー管とLEDの面(レイヤー)を変える。
レイヤーを跨いで移動する方法、調べてもなかなか出てこない。
自力で探そう。
Layerの文字を見つけた。ニキシー管のフットプリントを選択し、修正⇒変更⇒LayerでBottomを選択。
3Dで見る。変化していない。恐らくこれはレイヤー自体を弄る場所であってフットプリントの移動とかではないのではなかろうか。
裏面に移動出来ないという問題にぶつかってから3時間位経っている。
もういい。Fusion 360のヘルプの「エレクトロニクス」を徹底的に読む。
どこに書いてるんだ...フットプリントを変更するために回路図に戻らなければならない感じの事が書いてあるので回路図で何か出来ないかも探る。
そういえばこれEagleを引き継いだものだったな...Eagleで検索しよう。
「反転」という動作がこれに当たるらしい...回転のメニューと一緒においてあるとのこと。
ふと、「修正」の中で「回転」の下にある「ミラー」という操作を行うと...

色が変わった。あれ、お前まさか...

ひっくり返ったぁぁぁああああ!!!!本記事の30行前を書いたのは5時間前だぞ。数か月ぶりにキレ散らかした。ChatGPTも嘘しか言ってこないし本当にどうしようかと思った。
さあ、気を取り直して加工続行。
「ミス」
No.5で計算した位置を見ながら座標を決めていく。メートル法で。
各桁の位置はこうなっていた。今度も移動に手間取られるフェーズだ。
グリッド設定を見るとmilという単位があるらしいが、ミリメートルのことではない。1/1000インチの事だ
もう一度言う。milという単位はミリメートルのことではない。1/1000インチだ
調べておいて本当に良かった。
グリッド設定を1mmにすると、フットプリントの座標が座標で表されるようになった。これでニキシー管とLEDの配置を行う

これを3Dにプッシュ、筐体を見る。

案の定ずれている。何故か。そうだそうだ。「左右から5mm, 縦方向は1mmズレている」んだった。つまり正しい値はこうだ。
ズラしてもう一度筐体を見る。

まだズレている。測ってみると2mmくらいのズレがあるらしい。
検査機能から端っこから端っこまでの距離を見る。

一体どういうことだ。216.00mm???210mmではないのか???
実はしれっと筐体の厚みを2mmから5mmへ変更しているのだ。ここでズレたらしい。3mm+3mmで余計な6mm。完全に一致だ。
加えて、筐体は原点からも微妙にズレているのだ。
このミスで、基板の大きさに影響が出ている。
私の脳裏によぎる、「致命的欠陥」の5文字。
たかが6mmだろ。と思うかもしれない。
しかし、ここで妥協すれば研究室でいつも見ることになる時計の板が6mmズレているという事実に苦しむことになる。2年間。下手したら一生。
修正だ。要修正だ。
さて、こうなった時に取る手段は2つ。
その1: ちゃぶ台返しを行い全てを1からやり直す
その2: 現在あるものを修正することで目的の形へ持って行く
その1の方がいいような気がする...今日は問題続きで私の心が折れた。もうやめだ。現時刻3:30。明日やろう。次回へ続く。