ニキシー管作品制作記
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ニキシー管作品制作記 No.3

2023年10月20日

2023年10月21日

前回のあらすじ

DC-DCコンバータで9Vから170Vを生成し、ニキシー管に流したところで電流制限抵抗がないミスに気づいた。

前回記事

ニキシー管の扱い方を探る -2桁点灯実験-

よっぴ様のnoteの内容を参考にしながら、ニキシー管2桁を使用する実験をやっていく。

ジャンパ線を無理やり利用してニキシー管を接続することができそうだったので試しに同様の配線を行ってみた。

かなり見た目が悪くなった。2桁実験はこれでいいが、6桁の実験はジャンパ線が足りないだろう。

今回は実験段階なので、GPIO5Vで動かせるArduino UNOを利用する。

よっぴ様のコードをArduino UNO用に少々書き換え、いざ実行。


映像だとfpsが足らず判別できないが、かなり点滅が激しい(古い蛍光灯のようにチカチカしている)。

ゴーストもかなり発生しており、電源の接触も悪い。

ニキシー管のデータシートを再度確認すると、全てのピンが記号を表示する配線になっている訳ではないことに気づいた。

DCコネクタの半田付けをやり直し、数字のニキシー管で再点灯する。

ここまで来ると、接触が悪いのはブレッドボードの問題だと思われる。

とりあえずやっておきたい実験は終わったので基板の作成に移る。

ニキシー管の扱い方を探る -実験用プリント基板の作成-

前回で最低限駆動させるための部品は揃ったが、現状では仮実装にもほど遠い。それどころか実験もクリップを大量に付ける以外に方法がない。

今までは足の幅が2.54mm幅になっている部品しか使ってこなかったため、実験もブレッドボード、ユニバーサル基板、ICソケット等で済んでいた。

そこで今回は、KiCad6.0でIN-12bの足を2.54mm幅として引き出せる基板を作る。


まず、ニキシー管プリント基板のライブラリがないかどうかネット上で調べてみる。

すると、githubに以下のようなページがあった。


リンク先のnixies-usに、使用するIN-12Bのフットプリントが入っているらしい。これを使わせてもらおう。

設定⇒フットプリントライブラリーを管理⇒ファイルアイコンからEagle形式かKicad legacy形式のライブラリを読み込ませる。

フットプリントエディターからIN-12-DSUBを開くと、以下のような画面が出る。


ソケット用という事で穴が大きいIN-12-DSUBを使う。これを2.54mm幅の穴に繋げる。


フットプリントと同様の手順でシンボルライブラリーを入れ、回路図エディタで配線していく。

表裏が繋がる箇所ができないように、基板のフットプリントを作る。


3Dビューワで完成したフットプリントを見ると、以下のようになる。

ではこのプリント基板を発注!...と言いたいところだが、少々問題がある。

私は今まで2回程プリント基板を発注したことがあるが、基板の製造原価よりも輸送費の方が圧倒的に高い。以前やったのは1000円分の基板に対して輸送費2000円掛けるような注文だ。

何度も2000円を払わされるのはかなり嫌なので、作りたいと思っている基板を作って纏めて発注したいと思う。


ニキシー管の扱い方を探る -設計図の構想-

ということで、先んじて時計実装用のプリント基板を作成しよう。

表示部分が前面に来て、そこに2枚目の基板を接続するような形で設計を行いたい。

つまり以下のキットのような配置を行うイメージだ。

秋月電子通商: PICマイコンデジタル時計キット Ver.3(卓上型)(アダプタ別売)

さて、本番用の回路を作るとなると追加でまたまた問題が生じる。

私の時計は透明なカバーでニキシー管を覆うデザイン(以下画像)を想定している。

基板を覆う部分の外装は購入した3Dプリンタで作るつもりだが、透明なカバーが問題なのだ。

調べたところ3Dプリンタで透明なものを印刷することは不可能ではなさそうだが、フィラメント代でまた数千円を要求されるだろう。

既に既製品のニキシー管時計を購入するのに必要な金額を大幅に上回っており、追加の大きな出費は御免だ。

ということで、再三の部品探しだ。近場のダイソーを見て回ったが、今のところ目に適った商品がない。

そうと来れば、DIYer御用達東急ハンズへ。


しかし、私のイメージに合う寸法の透明な箱は無かった。

好きな寸法で発注もできるらしいが、商品を見ていて別の方法を思いついた。

箱は無かったが、以下のプラスチック板は丁度よさそうだった。

そこで、デザイン案を変更し以下の形にする。

プラスチック板を襖のようにスライドして入れる。これならばニキシー管をカバーできる上、文字盤の基板をねじで固定したいとなった時に、ねじ穴を目立たなくすることができる。

これでおよその必要部品の寸法が分かったので、次回は外装の設計図と表示部分の回路、プリント基板を作ることになるだろう。

相変わらず取っ散らかっているが、日記に近い物なので、最終的にはまとめたい。それではまた次回!