ニキシー管作品制作記
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ニキシー管作品制作記No.2

前回のあらすじ

MFT2023の記事を見ていたら、いつの間にかニキシー管を衝動買いしていた。
高級品とあらば使わない手はない。私は作品製作の為の部品集めに奔走するのであった。


前回記事

ニキシー管の扱い方を探る -単純点灯実験-

前回は必要な部品が何なのかピックアップした。今回は部品を組み合わせてどんな回路にするのか設計していこう。


そもそもどんなものを作ろう?

設計と言っても何を作るのか決めなければ始まらない。まずニキシー管がどんなものだったか再度確認してみよう。


IN-15系...なんと使いにくい単位を内包しているのだろう。そもそもなぜ+-と%が一緒になっているのだ。元は電卓か測定器を想定していたのだろうか。


単位用のニキシー管を使うのは却下し、無難に時分秒6桁の時計機能があるものを作ることにしよう。

(ついでにダイバージェンスメーターもどきとしても動くようにすればいいかな)


時分秒を分けるコロン(:)はどうするか。どうにもネオンランプがかつて秋月電子に売っていたっぽいが今は無い。代わりにオレンジのLED辺りを使おう。


部品や設備が整うまではブレッドボードによる実験が主になると思われるため、ボタンを何個つけるのかは保留にしておく。ボタンが接続するのはESP32側だし大きな変更にはならないだろう。


構想は大体出そろった。イメージは目覚まし時計に近いが、置く場所はオフィスっぽい場所を想定している。また、ニキシー管部分は着脱が比較的簡単になるようにしたい。


と、ここでニキシー管用ソケットの問題にぶち当たる。前回から引き続きソケットについて調べたところ、これを用意するのが少々厄介なようである。


およそソケットはAliexpressで販売されており、今注文すると到着は速い便でも約2週間後、最悪12月になる。


早めに解決出来ないものか。と、X(Twitter)を見ていたら以下のような投稿を見つけた。


なるほど、そういう手があるのか。DSUBコネクタを作ってくれた方には悪いが秋月電子にトランジスタを買いに行く時に一緒に千石電商でDSUBコネクタを買ってこよう。


とはいってもアリエクでのソケットは本来あるべき用途のものだろうから、一応注文はしておいた。


aitendoからDC-DCコンバータが届く。早速組み立てる。


組み立てるとこんな感じ。ところで白い物体はセメント抵抗というらしい。定格電力が圧倒的に大きい。こんな大きい抵抗を使うのは中学の実験以来だろう。


おおよそ最低限必要そうな部品を集めた。いざ実験。


安定化電源をお借りして、まずは必要電圧を作る実験。


9Vを掛ける。半固定抵抗を回し最低電圧にする。そこから少しずつ回していって170Vを作る。


微量回転させるだけで10V前後変動する中、171.1Vになった。


電源側を12Vにしても、出力電圧が変化しない。どうしてこうなるのかは後々ちゃんと調べておきたい。


次はニキシー管を接続してみる。


ついた。遂にこの暖かみのある光を肉眼で拝むことができた。


一部白い光がバチバチいう。何でだろう。


ここで先駆者達の回路を見返す。まずい。電流制限抵抗がない。つまり今このニキシー管には大電流が流れていると思われる。そりゃバチバチいう。


電流制限抵抗は100kΩとか50kΩとかの抵抗をつけるらしい。で、持っている抵抗をかき集めた。


どんだけバラバラにあるんだ。左上から10, 100, 470, 1k, 2.7k, 3.3k, 10k, 22k, 33k, 82k, 100kである。


100kΩは何で数本だけあるのだろうか。


後日、再び秋葉原に赴き部品を買い足す。現在既に10月14日。作品を作るきっかけになったMaker Fair Tokyo 2023の開催日である。


9V電源, トランジスタ, 各種抵抗, LED, DSUBコネクタを購入。


帰ってDSUBコネクタを力技で分解するため格闘すること数十分かけたことも空しく、上手いことピンがハマっている気がしない。

つまり満足に接続する方法がないという根本の問題が解決していない。こうなったらプリント基板を作るしかあるまい。


そうこうしている内に土日が終わってしまった。ということで今回は終わりとする。


次はPCBの作り方(Kicad)の内容になるだろう。


ではまた次回!