ニキシー管作品制作記 No.4
2023年10月22日
2026年10月26日
前回のあらすじ
フォトカプラ、K155ID1を利用して2桁分のニキシー管が点灯することを確認した。
前回記事設計図を描くには?
紙で設計図を描くのでもいいのだが、私は描き方を知りません。(やったことはあるはずだが覚えてない)
どうせ3Dプリンタで印刷するので、3Dデータを作るソフトを調べてからの方がよいでしょう。
私が注文したのは こちらの3Dプリンタ です。(現在2023年11月下旬以降発送予定となっており、既に1か月延期している)
利用できるデータ形式を見てみると, 3MF / STL / OBJ / FPP / BMP / PNG / JPG / JPEG / GX / G
と書いてあります。BMP, PNG, JPG, JPEGは画像データです。
以上の画像、OBJ以外は私には未知のファイル形式です。とりあえず各データ形式の特徴を3dプリンタ用ソフトのマニュアルを見つつ、ざっと調べます。
2015年に開発され、AMFより軽いフォーマットらしい。ポリゴンメッシュ、色、材料、テクスチャ等の情報が入る。
30年以上の古株形式。アスキー形式ならテキストエディタでも編集可能らしい。汎用性が高く、王道。
筆者も扱ったことがある。STLと違い複数の色や素材、発光やテクスチャの設定ができる。
Fortran Source Codeに利用されるとのこと。つまりFortran言語のテキストファイル。
マニュアルによると3dプリンタのプロジェクトファイルに使うっぽい。
画像ファイル形式。レリーフ効果のモデルをプリントできるとのことです。
テキスト+バイナリ形式のG-codeというものだそうです。
G-codeというのはFDM型3Dプリンタを動かすデータです。
CADファイル。よくわからないので詳しくは触れません。
blenderとか使えるのかな?と思っていたのですが、ファイルの加工などが不便なのだそう。
ということで、正直に周りで3Dプリンタを弄っていた人から聞いたFusion 360というソフトを使うことにします。
Autodesk Fusion 360のインストール
さて、Fusion 360というソフトについて情報を集めます。
正式に利用すると、年間71500円、今なら33%OFFの47905円でライセンスが購入できるらしいです。
到底学生が出せる額ではありません。1か月版でも8800円。
調べ続けていると、教育用のプランがあるらしいので、学生という身分を存分に使わせてもらいます。
学生用無償版のページから学校用メアドを使って情報を入力すると、無償ダウンロードができました。
と、ここでFusion 360が3D CAD/CAM/CAE/PCBが一つに統合されたソフトウェアであるという事に気づきました。
PCB=プリント基板です。プリント基板の設計もFusion 360で行えるということです。
ソフトウェアを使うために学生をやるのも悪くないのではないかと一瞬思ったところで、インストールが完了しました。早速開いてみよう。
問題なさそう。設計図と3dモデルは同時に作っていきます。
閑話
と、ここでちょっと別に書きたいことが出てきたので一言書かせていただきたい。
私は最近VSCodeにGithubCopilotを導入しました。これはAIがコードを書いてくれるというものです。
私が文章を入力していると、次々に内容を予測・提案してきます。この文章を書いている今もです。この文章の一部はGithubCopilotに補完されたものになります。
本文章の中で「ソフトウェアを使うために学生をやるのも悪くないのではないかと一瞬思ったところで、インストールが完了しました。早速開いてみよう。」
と書いてimgタグを用意したところで、以下の文言が生成されました。
<p>なんかすごいソフトだ。とりあえず、3Dプリンタで印刷するための設計図を描く方法を調べてみよう。</p>
<p>とりあえず、<a href="https://www.youtube.com/watch?v=8p9F0HqX2XU">こちらの動画</a>を見てみる。</p>
なんだそのリンク???こんなの見るしかないじゃないか、と怖いもの見たさに開いてみました。
これはひどい。色々調べてみてもこの動画がなんなのか分からないどころか、本当に存在したものかも疑問になってきました。
リンク先が何かしらまずい動画で削除された可能性もありますが、私の力ではこれ以上情報を集めきれませんでした。
どちらにしろ2023年現在のGithubCopilotが提案するURLを信用しすぎないことにしましょう。
Autodesk Fusion 360 -入門-
とりあえずプラ板のモデルを作ります。これは直方体です。立方体を組みかえれば行けるかと思いましたが、xy平面に長方形を描いたところで諦めました。
どこに何があるのかさっぱりわからないどころか、視点移動もままらないのです。前ちょっと触ったblenderとは違うらしいです。
大人しく「fusion 360 入門」で調べます。
Autodesk公式のチュートリアルがあるのでしばらくはチュートリアルに従います。
Autodesk Fusion 360 -最低限度の操作方法-
画面のブロックには以下のような名称がついています。
視点移動は
平面⇒ホイールの押し込みもしくはナビゲーションバーで画面移動(手)を選んでドラッグ
立体⇒ビューキューブ(右上の立方体)もしくはナビゲーションバーからオービット(一番左)を選んでドラッグ
これでできます。
「検査」⇒「断面解析」から断面を見ることができるらしい。いずれ使うでしょう。
保存はクラウドとローカルに保存するので方法が違うそうです。
左上の「保存」からはクラウドに保存することになります。
ローカルに保存したければ、ファイル⇒エクスポートから中間ファイル形式の.igs、.stp等を保存するとのことです。
Autodesk Fusion 360 -モデリング入門-
チュートリアルでは汽車のモデルを作っていますが、私はプラ板を作るだけなので基本割愛します
プラスチック板の寸法は定規で測ったところ縦70mm × 横210mm × 厚み2mmでした。
スケッチの作成⇒平面選択⇒縦70mm,横210mmの長方形を作成しました。
作成⇒スケッチ寸法⇒線分を指定⇒寸法を記入。
だんだん設計図の様相を示し始めました。次々いこう。
ソリッドタブ⇒押し出し⇒長方形を選択⇒厚さ指定(2mm)⇒方向は「片側」を指定⇒OK
できた。そういえば3Dデータ形式のところで素材の指定云々という文字を見かけました。これはプラ板なのでプラスチック製にしたいが今は何になっているのでしょう。
直方体を右クリックし、プロパティを見てみると物理マテリアル、外観共に「鋼」の文字。
これを変更します。
右クリック⇒外観⇒ライブラリ⇒Fusion 360外観⇒プラスチック⇒透明⇒アクリル(クリア)
からデータをダウンロードした後、これを直方体にドラッグ&ドロップ。外観がプラ板になりました。
しかしマテリアルは変わっていません。
悪戦苦闘すること10分。見つけた。
左上のブラウザ⇒ドキュメントの設定を右クリック⇒物理マテリアルを選択。
外観と同じようにライブラリからアクリル、クリアを選択。無事マテリアルも切り替わりました。
これでプラ板(直方体)が作れた。次はここにニキシー管を用意しましょう。
Autodesk Fusion 360 -既存モデルの挿入-
ニキシー管の寸法は...データシートに書いてあります。
しかしCAD素人の私が実際に印刷する訳でもないものを製作するのはハードルが高いです。
ということで、先駆者が作ったIN-12型ニキシー管の3Dモデルを探そう!
調べてみると、結構いろんなところからIN-12のモデルが出ています。いくつかダウンロードしてFusion 360に入れてみます。
これらはまたまたGithubCopilotが出してきたgrabcad.comというサイトからダウンロードしました。偶然だが発見できてよかったです。
boothでモデルを出している方もいたので、こちらもダウンロードしてみました。
ファイル自体は ファイル⇒開く⇒マイコンピュータから開く で見ることができます。
こちらのIN-12を読み込んでみます。
細部まで再現されていてちょっと感動...色も付けられるのかもしれないですが、一番の問題は寸法です。合っているのか。
モデルを正面から見た時の上から下までは31mm。実物のノギスで測ると29.27mmと出ました。ちょっとズレていますが、データシートには従っています。
モデルを横面から見た時の上から下までは28.218mm。ノギス計測は27.7mm。データシートは28mm-2(?)で合っていそうでした。
実物の寸法が微妙に違うようですが、大方問題はなさそうです。
ではこれをさっき作ったプラ板のところに入れていきます。
ファイル⇒アップロード⇒ニキシー管の3dデータ(今回は.step形式)を選択⇒プラ板と同じ場所を選択⇒アップロード
データパネル⇒データの入ったプロジェクトをダブルクリック⇒ニキシー管を右クリック⇒現在のデザインに挿入。これをニキシー管本数分やります。
6本のニキシー管とプラ板が揃いました。これで次の段階に進めます。
と言ったところでまた次回!次は全体のモデルを引き続き作っていきます。
