ニキシー管作品制作記 No.13


2024年4月29日
前回のあらすじ
プリント基板の発注を行った
何をしていたのか思い出す
案の定、12月に入ってから急激に用事が増えたため作業が進まなくなってしまいました。
というわけで、前回記事からもう5か月過ぎようとしています。(制作開始から半年経過)
前回記事の予告を見ると、今回からプログラミングフェーズに入ると書いてありました。
それは嘘だ。プログラミング以前の問題がまだ山積しているのです。
とりあえず注文していたプリント基板は到着し、筐体も完成しています。

この状態を表現するなら、「ニキシー管時計工作キットを用意した」状態です。
と、いうことは「電子工作」の工程が残っています。これをやっていきましょう。
プリント基板の実装
名刺基板の作成において、プリント基板(以下PCB)について学んだことがあります。
それは、ブレットボード上で上手くいっていてもPCBで上手くいかない場合がある。ということです。
特に「ノイズが通信部に与える影響」というのは絶大です。
PCBはノイズを削減するために「GNDベタ」という部位を作るのが基本らしいのですが、注文した基板にそんなものはありません。
ということで、この回路はまともに動かない可能性があるのです。
部品とPCBはなんだかんだ複数あるので、いったん全部はんだ付けして実験します。

はんだ付けに失敗しました。ESP32が結線してショートしました。なんで????
部品はたくさんある(焦り)。こんな時のために開発ボードを直刺しできるようにしてありました。開発ボードを使う方向で行きます。

これなら失敗の余地はありません。
しかし、新たな問題に気づきます。
「電源切断後コンデンサに残った電荷は、どうやって放電するの???」
え~~~~~~.........
自然放電???
具体的に言うと、電源を切った後に170V用に溜めた電荷を放電するルートが無いのです。
「電源を切ったのに感電する可能性」が残されているのです。
製品なら一発でアウトです。外装があってまだよかったですが、実際問題何が起こるか分からないのです。
正直、実験するのがちょっと怖かったです。(結果的に問題はなかったですが)
電圧が出ない問題
いざ、回路を組んで170V出るか確認!
.....12Vしか出ません。
ここで時計の制作を長いこと放置していました。
数か月が経過した後、改めて回路をよーく見直してみると、重大な問題を2箇所発見しました。

この基板、回路が間違っています。しかも2箇所。
GNDに繋がっているはずのところが別の回路と接続されていることに加え、コンデンサが回路上にありません。
前者を直したところ50Vまで昇圧されましたが、後者は回路上で何とかすることができません。
取れる手段は一つ、外部の昇圧回路を接続することです。

正直この手段を取るのが一番嫌ではありましたが、間違えた回路なのでどうすることもできません。諦めて次へ進みます。
ダイナミック点灯の回路
今回作っているニキシー管時計の表示システムは、1桁を一瞬表示→次の桁を表示...ということを瞬間的に繰り返すものです。
このダイナミック点灯方式において重要な役割を果たすのが、大電圧に耐えられるフォトカプラです。
実は、ここにも回路のミスが存在していましたが、思わぬ展開で解決しました。
想定していたフォトカプラ(画像白の方)を再度購入しようと秋月電子に向かうと、この商品は既に無くなっていました。
代わりに提示されたのが画像黒の方のフォトカプラです。

データシートを見ると、中の回路が微妙に異なります。
白のフォトカプラだと上手くいかない回路ですが、黒の方では上手くいくのです。不幸中の幸いです。
黒のフォトカプラを繋ぎ、ニキシー管2つを繋げます。
別々に点灯させることができました。フォトカプラの部分には問題がないことがわかりました。
実装回路最後の仕上げ
さて、電子工作も大詰めです。全ての回路を接続し、試験用のプログラムを走らせます。
いざ、点灯!
やっとここまで来れました。それでは次回、本当に最後の仕事である時計プログラムを完成させます。
プログラムの中身はただのカウンターなので本記事では省略し、次回完成したものを公開します。
それではまたお会いしましょう。