ニキシー管作品制作記
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ニキシー管作品制作記 No.12

2023年11月16日

前回のあらすじ

筐体設計が完成し、3Dプリンタが届き、回路の確認をした。

前回記事

3Dプリンタ Adventure 5M -ディスプレイ部分筐体-

前回印刷した筐体はこうなった。

サポート材を取り、くぼみにアクリル板を滑り込ませようとしていたら...

見事に折ってしまった。遊びがない事を少々懸念していたが、その予感が的中する形になった。

となれば、残った筐体にも遊びを作る必要がある。

同様の理由でボタンカバーも現在の設計ではいけない。大幅に手入れを行い、各部の遊びを1mm程作った。

残り部分の印刷を開始し、出かけることにした。

3Dプリンタ Adventure 5M -メイン筐体と蓋-

メインの筐体と蓋、ボタン用カバーができた。

サポート材を苦労しながら切り離し、並べてみる。

これまた壮観だ。遂に筐体が完成したのだ。

ボタン用カバーの嚙み合わせも蓋とメイン筐体の嚙み合わせも問題ない。

今回は先ほどの反省を活かし、遊びを作ったがこれでピッタリ収まるようになった。

(故に、ディスプレイ筐体はやはりハマらない)

筐体に関しては特にこれ以上いう事もなかろう。

ニキシー管の扱い方を探る -ESP32書き込み回路-

基板設計で残った問題はESP32だ。

本当にこのままで配線できるのか。開発ボードを使わない形でESP32で実践環境の実験を行おうとしたところ、また問題が起こった。

ESP32のはんだづけをミスし、大部分が短絡した回路ができてしまった。

はんだ吸い取り線を使って引っ剥がすことも出来ず、そのまま廃棄という決断に至った。

実践環境でこれをやらかすわけにはいかない。

ならばある程度リカバリー可能性が高い回路を最初から組んでしまえばいい。

というわけで大幅に配線を追加・修正した結果がこれだ。

11月も半ば。

私情により12月は工作の時間があまり取れない。急がなければ。

Autodesk Fusion 360 -画像の挿入-

どうせなら画像を入れて非同一性を保持したい。(建前)

ということで飛行物体のシンボルアイコンを仕込んでみよう。

こちらの記事の通りにやってみる。

画像は勿論コレ

さて、そもそもファイルはbmpでなければいけないらしい。

適当なペイントソフトでbmpへ変換し、自動化タブからULPを選択する。

import-bmpから、色々設定して、Run Script。画像を移動させ、3Dへプッシュした結果はこうなった。

いい感じだ。ついでに警告用アイコンも入れよう。

悪くない。やっていると追加したいことが山ほど出てくるのでこれにてPCB制作終了!

Autodesk Fusion 360 -基板の統合と出力-

各プリント基板は別々のファイルで作ったが、発注時には1枚である方が安いと思い統合を試みる。

検索をかけると公式にヘルプがある

新しい電子デザインから今までとは別のボードを作成し、フットプリントをコピペする。

並んだ基板を接続する。

これを一応3Dにプッシュするとこうなる。

最終的な微調整を行い、ガーバーファイルとして出力する。

フットプリントの画面から、製造→ガーバー、NC ドリル、アセンブリ、および図面の出力をエクスポートを選び、zipファイル化する。

このファイルはガーバーファイルだけではなくいろいろなものが入っているので、ガーバーファイル(+ドリルファイル)だけが入ったファイルを別途圧縮する。

PCB製造サービスの選定

遂に最終段階へとやってきた。

私は以前に2つのサービスの利用経験がある。

一つ目はFusion PCB、二つ目はJLC PCBである。

問題となってくるのはやはり輸送費である。まずはここをはっきりさせる。

一旦JLC PCBで印刷の検討をする。

Order nowから内容を見ると、ガーバーファイルのアップロードというタイトルが出る。

ここにはzipもしくはrar形式で圧縮された最大20MBのファイルしか出せない。

PCBの発注

JLC PCBで作業を続ける。

ガーバーファイルをアップロードすると、ビューが出る。寸法も自動で入力される。

基板の枚数は最低5枚のようだ。(サイトに書いてある量しか印刷枚数を選択できない)

基板の色は緑・紫・赤・黄・青・白・黒である。緑以外は少々到達が遅くなるそうだ。

シルクスクリーンは白。表面はHASLでないと高価になるようだ。

その他の項はデフォルトにしてカートに保存する。

未統合の場合と統合の場合を並べると値段の差は歴然である。¥1000以上安くなる。

住所を入力し、発送方法を見る。時間が掛かるものほど安くなる。

一番安いGlobal Standard Direct Lineというものを選択すると、¥4200になった。

う~ん相変わらず送料が高い。本当は別に作っている基板も同時に発注しようかと思っていたが、そちらはまだ時間が掛かりそうなので発注してしまおう。

これでミスっていたら別に作っている基板と同時に再発注しよう。

さあ、払おう!

暫くして、問題が二つ起こった。

①ファイルの抜けがあったということ(ドリルファイルがなかった)

これは再度ファイルを出すことで何とかなった。問題は②

3基板を統合したときに作った切り離し用の接合部が小さすぎて結局3枚別物を作る羽目になってしまったのだ。

これで1500円の追加徴収となり、結果料金は5300円となった。

慣れない事をするとこういうことが起こる。今度はJLC PCB以外のサービスを使ってみよう。

何はともあれ、あとは到着を待つのみとなった。届くまでにもやれることは多い。それでは次回、最終局面:プログラミングでお会いしよう。